ニューマチックケーソン工法向けソリューション

ニューマチックケーソン工法向けソリューション

ニューマチックケーソン工法向けソリューション

ニューマチックケーソン工法とは

ニューマチックケーソン工法(Pneumatic caisson method)のpneumaticは空気を、caissonは函(はこ)を意味します。本工法は、橋梁や建造物の基礎として、また、下水ポンプ場、地下調整池、シールドトンネルの立坑、地下鉄や道路トンネルの本体構造物として幅広く活用されています。地上で鉄筋コンクリート製の函(躯体)を構築し、躯体下部に作業空間を設け、掘削機や排土するためのアースバケットを設置し、掘削と排土および躯体の沈下を繰り返すことで、縦に掘り進めます。
特徴としては、作業空間への地下水の浸入を防ぐため、地下水圧に見合った圧縮空気を送り込んでおり、作業空間の気圧が一定以上になる場合は、遠隔施工が標準となるという点です。躯体の天井レールから吊り下げられたケーソンショベルと呼ばれる掘削機を操作することによって作業を進めています。また躯体は地盤からの反力によって支えられており、地盤を掘削することで反力を弱め沈下させるため、高度な沈下管理が欠かせません。沈下管理に必要な重要指標の一つである地盤状況の把握は、高気圧環境下への入函作業や天井カメラの観察などの目視確認によって行われています。

ニューマチックケーソン工法の課題

地盤状況を把握のための入函作業は深度により数時間を要し、高気圧環境下での作業は減圧症の発症リスクがありました。また、天井カメラは画角が制限されるため、複数の映像を組み合わせる必要があり、現場全体を俯瞰することは困難でした。作業空間内の状況が的確にわからない状態で施工を進めてしまうと、躯体の傾斜や急激沈下などが発生してしまうリスクがあります。
加えて土木業界全体で生産年齢人口の減少と高齢化が進むなか、ニューマチックケーソン工法は性質上渇水期に施工が集中しやすく、現場間でオペレータ人員調整が必要になるほど、人員確保が難しい点も課題となっています。


オペレータが操作に用いるカメラ映像に映る実現場の様子

建設産業では、他産業と比べて、高齢化率が高く、現在から将来にわたり、働き手不足が大きな課題となっています。建設業全体で、働き手不足を解消すべく、省人化や自動化を推進する動きが強くなっています。その中で、建設機械の自動運転は、省人化や自動化、安全性の向上につながり、本業界の大きな課題を緩和・解消しうるとして期待されています。本取り組みは、ニューマチックケーソン工法において、施工のICT化、自動化を推進することでそれらの課題を解決していくことを狙っています。

ソリューション概要

本ソリューションは、以下の2つのシステムで構成される統合パッケージです。

    1.可視化システム(GeoViz)

  • ケーソン函内の地盤高さ、作業進捗、開口率などをリアルタイムに可視化
  • 現場の複数台ショベルから取得したデータを統合し、モニタリングルームで一元管理
  • 日報作成や施工振り返りに活用できるデータとして蓄積・出力

    2.自動運転システム

  • ユーザーが設定した作業指示に基づき、複数台ケーソンショベルによる土運搬作業を自動化
  • 自動運転システムが単純な繰り返し作業を行うことにより、オペレーターは監視や難易度の高い作業に専念でき、省人化や作業時間の短縮に寄与




 

可視化システムの特長

    1.地盤状況・進捗のリアルタイム表示

  • LiDARで取得した環境の点群とショベル位置・姿勢の情報を組み合わせ、ケーソン函内の地盤状況を3Dで直感的にリアルタイム表示します。これにより現場職員は作業の進捗を好きな時に確認できます。

    2.開口率の自動計算・モニタリング

  • 沈下管理の重要指標である開口率を自動算出し、閾値を超えた際には即時に把握できます。
    3.データ蓄積とレポート出力

  • 地盤変化や開口率の推移などをデータとして保存し、日報・週報の作成や施工検証に活用可能です。

自動運転システムの特長

    1.簡単な作業指示と目標地盤形状に沿った自動掘削

    ユーザーは本システムのGUI(地山や建機の状態をリアルタイムに可視化)上で、各ショベルごとに以下を指定します。

  • 掘削エリア:どこの土を、どの深さまで掘るか
  • 排土エリア:掘った土を、どこに運ぶか
  • あとは「自動運転開始」ボタンを押すだけで、自動運転を開始できます。
    自動運転開始後は、システムが次の流れで作業を実行します。

  • 地山の形状などを考慮し、機械を動かす軌道を自動算出
  • 算出した軌道に従って、建機を自動で動作
  • 指定領域において、掘削・排土を目標深さまで連続して自動実行
  • これにより、ユーザーは簡単な設定操作のみで、指定した範囲の掘削から排土までを一連の作業として自動で進めることができます。

    2.複数台同時自動運転

  • ショベルごとに作業エリアを設定し自動運転を開始することにより、同時に複数台ショベルの自動運転を行うことができます。自動運転システムはショベル同士の衝突や壁・備品への衝突を事前に検知・防止する機能を備えており、安全に自動運転施工を進めることができます。
  • ユーザーは作業指示を行なった後は建機の挙動の監視だけを行えば良いため、複数台の建機を1人で動かすこともでき、省人化効果が期待できます。また、普段作業が行われない時間帯(例えば、夜間等)に連続して自動運転をさせることも可能です。これにより工期全体の短縮も期待できます。
    3.遠隔操作と自動運転の簡単な切り替え

  • 本システムは、自動運転と手動遠隔操作を簡単に切り替えられる機能を備えています。自動運転を開始すると同時に自動運転モードへ移行し、作業終了時には自動で遠隔操作モードに戻ります。自動運転作業途中であってもボタン操作ひとつで自動運転を中断し、遠隔操作へ切り替えることが可能です。

現場実証・導入事例

DeepXは、オリエンタル白石株式会社(以下、オリエンタル白石)と協働し、複数のニューマチックケーソン工法の施工現場において、本ソリューションの実証を行ってきました。

ケーソンショベル自動運転システムの現場実証

2025年、オリエンタル白石が施工を行う現場において、自動運転システムの現場実証を実施しました。この結果、ニューマチックケーソン工法の実際の施工現場にて複数ケーソンショベルによる土運搬作業を長時間安定的に稼働することができることを確認しました。



 

現場可視化システム(GeoViz)の現場導入

2024年、オリエンタル白石が施工を行う現場において、GeoVizを用いたリアルタイム3D可視化の導入実証を実施しました。ケーソンショベルや地盤の形状をデジタルツイン上で再現し、遠隔操作カメラだけでは把握しづらい「地盤全体の状況」を、直感的に確認できる環境を構築しました。

参考記事:
建設機械施工 2025年4月号
ACe建設業界2025年1月号 

オリエンタル白石株式会社

オリエンタル白石株式会社

オリエンタル白石は、プレストレストコンクリートやニューマチックケーソン工法、補修補強技術など数々の特化技術を 活かし、大いなる自然と大地・未来を見つめる都市を舞台に、橋梁や高速道路、鉄道、ライフライン施設など多種多様な 社会資本を構築しています。人々の暮らしに潤いをもたらし、安全を約束する社会資本の建設には、当社の施工実績と研 究開発によって培われブラッシュアップされた技術の数々が活用されています。これからも、都市環境の整備や新たなイ ンフラ構築の他、既存のインフラの補修・補強、巨大地震やゲリラ豪雨などへの災害対策にも尽力し、「人と技術を活かし、常に社会から必要とされる集団を目指す」という経営理念のもと、着実な発展を続けて参ります。

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